男はつらいよ(寅さん)の町、葛飾区柴又の下町情緒を食べ歩きで楽しむ

東京の人気観光地として常に上位にランクインする町といえば「浅草」。外国人からも相当な人気で、国内外からかなりの観光客が訪れています。今回ご紹介するのは、そんな浅草と同様、下町らしい情緒に包まれた葛飾区・柴又。

映画『男はつらいよ』の舞台となり、"寅さんの町"として有名で、古い街並みを活かした門前町はフォトスポットもいろいろ。

B級グルメの食べ歩きも非常に楽しいエリアですが、まだ浅草ほどメジャーなスポットではないため、混雑に見舞われることもなく、のんびり街歩きを楽しめます。

柴又駅を降りるとまず目に飛び込むのは寅さんの像。みなさんここで記念撮影をしてから帝釈天へと向かうのです。昨年、寅さんの妹「さくら」の像も設置されましたよ。

絶対にはずせない観光スポットはもちろん「帝釈天」ですが、ほかにも「矢切の渡し」、「寅さん記念館」、「山本亭」(美しい庭園)など見どころが満載。

そして、じつは今回一番楽しみにしていたのはグルメ!柴又駅から帝釈天へと続く参道には風情ある商店街があり、名物の草だんごをはじめ、のんびりと食べ歩きを楽しむことができます。

まず立ち寄ったのは、駅を降りて少々歩くとすぐに見えてくる「かなん亭」。無添加の手づくり寒天を使ったあんみつなど甘味や食事も提供していますが、店頭で焼いている焼き鳥のいい香りに思わず引き寄せられます。

葛飾区・柴又:かなん亭

「ねぎま」と「うなぎ短冊串」を1本ずつと、モツ煮込みを買い、柴又食べ歩きスタート!

かなん亭のモツ煮込み

かなん亭の向かいにはレトロな風情に包まれた駄菓子屋「ハイカラ横丁」が。もちろんするすると吸い込まれるように店内へ。

葛飾区・柴又:駄菓子屋「ハイカラ横丁」

駄菓子屋「ハイカラ横丁」店内

けっこう奥行きがある店内に、かなりの種類の駄菓子がずらり。これだけ品数がそろっていると子どもも大人もテンションあがります♪ 思わず "大人買い"してしまう人も多いはず。

さらに少し行くと、柴又街道の手前にうなぎの名店が2店、向かい合うようにして建っています。左側には創業230年の老舗「ゑびす屋」。右側には創業100年の名店「たなかや」。柴又では珍しい「どじょうの柳川」も提供していますが、やはりおすすめはうなぎです。

「ゑびす屋」と「たなかや」

今回の柴又散策ではうなぎを食べなかったので「次回はぜひ」と思っています。ほかにも、創業250年以上の「川千家(かわちや)」、幾多の著名人に愛された「川甚(かわじん)」など有名店がたくさんあるので、要チェックです。

柴又街道を渡ると、いよいよ「帝釈天参道」。道の両側には飲食店のほか、仏具屋さんやお土産物屋さんなどが軒を連ねます。

柴又街道

柴又名物のひとつ、草だんごはぜひ食べてみましょう。

草だんごの髙木屋老舗

どのお店も「食べ歩き」を推奨(?)しているので、1本ずつあちこちで買って食べ比べするのもおすすめです。

髙木屋老舗のすぐそばにはおいしそうな「焼き芋ようかん」も。それも気になりつつ、草だんごで甘くなった口を「懐石 玉こんにゃく」でちょっと口直し。素朴なお味でほっこりします。

続けざまにまたもやおだんご。こちらの「亀家本舗」ではみたらしだんごと栗だんご(秋限定)を1本ずつ。どちらもとてもおいしかったです!

亀家本舗のみたらしだんごと栗だんご

亀屋本舗さんは、ほかにも「ずんだ」「ごま」「のり」「紫芋」など種類も豊富なのでいろいろ食べたくなっちゃいますよ。

もう少し行けば「帝釈天二天門」が見えてきます!...と思ったら、何やら練り歩きが始まりました。

柴又帝釈天 おいらん道中

予備知識なしで行ったので「何事だろう?」と思いましたが、あとで調べてみたらちょうど「柴又帝釈天 おいらん道中」をこの土日の2日間だけやっていたようでした。

柴又帝釈天 おいらん道中

このエリアは、毎月10日に「寅さんの日」、奇数月に「庚申の縁日」、2月に「節分会」、4月に「さくらまつり」などなど、お祭りや縁日がいろいろあるので、調べてから訪れるのもよいかもしれません。

華やかなおいらん道中を見送ったら、いざ帝釈天(正式名称は「経栄山題経寺」)へ。病気平癒のご利益があるといわれ、地元民や観光客でにぎわっています。

経栄山題経寺

境内はさほど広くはないのですが、立派な松の木や見事な木彫り、古くて渋いおみくじ箱、彫刻ギャラリーなどもあり、見どころいろいろ。

この世を浄化し、人々の罪や穢れを清めてくれるという「浄行菩薩」も祀られています。菩薩さまの横に手ぬぐいとたわしが置いてあり、体の悪いところと同じ場所をこするとよいそうです。

せっかくなのでもう少し歩いて、柴又と対岸の千葉県を結ぶ「矢切の渡し」まで行ってみることに。江戸時代初期から続く渡し船で、都内に残っているのはこちらだけ。小説『野菊の墓』や歌謡曲『矢切の渡し』で有名ですし、もちろん寅さんもたびたびこの渡し船に乗っていましたね。

矢切の渡し

片道200円で乗れるそうですが、乗り場は思ったよりあっさりしたつくりで、「あれ?本当にここ?」と思ってしまいました。むしろこれがリアルな姿だったのかもしれませんね。

矢切の渡し

「矢切の渡し」は運航時間が16時までと短いため、「おいらん道中」で足止めを食った今回は乗ることができず...。「寅さん記念館」「山田洋次ミュージアム」「山本亭庭園」を含め、次回にまわしたいと思います。

柴又駅から帝釈天参道をのんびり歩いて帝釈天でお参りをし、矢切の渡しの乗り場までゆっくり散策。そこからまた参道へと戻ってくるころには日も暮れてきました。

夕暮れの柴又街道

すでに店じまいしたところも多かったですが、暮れてゆくタイミングの参道もなかなか風情があります。食べ歩きも観光もいろいろ楽しい葛飾・柴又。ぜひ一度訪れてみてください。

2024.03.24 18:15
2024.03.27 07:38
国内情報

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